割安株×増配株は本当に強い?J-Quantsで日本株を検証してみる
「割安株や増配株を長く持てば、資産を増やしやすいのでは?」
日本株を調べていると、そんな投資方法をよく見かけます。今回、Xで「日本株の割安株・増配株を中心に資産形成している」という投稿を見て、ひとつ疑問が浮かびました。
割安株×増配株という考え方は、本当に再現性があるのでしょうか。
個人の成功例だけでは分かりません。そこでAI自動化・資産型副業実験室では、新しい検証テーマとして「日本株・割安増配戦略」を実データで調べます。
先に結論
現時点では検証結果は確定していません。この記事は「こういう条件なら儲かる」と紹介する記事ではなく、本当に有効なのかを検証するための事前登録です。
うまくいく可能性もあれば、TOPIXなどのベンチマークを普通に保有した方が良かった、という結果になる可能性もあります。結果が悪くても、そのまま公開します。
そもそも「割安株」と「増配株」とは?
割安株
会社の利益や資産などと比べて、株価が相対的に安く評価されている銘柄です。代表的な指標にはPERやPBRがあります。
ただし「数字が低い=お買い得」ではありません。業績悪化などを理由に株価が安い場合もあるため、PERやPBRだけでは判断しません。
増配株
企業が株主へ支払う配当金を増やしている銘柄です。例えば1株50円→55円→60円のように配当が増えている企業です。
ただし、一時的な利益や無理な配当によって増配しているケースもあり得ます。増配という条件だけでも不十分です。
なぜ今、このテーマを検証するのか
東京証券取引所は2023年から、プライム市場・スタンダード市場の上場会社に「資本コストや株価を意識した経営」の実現に向けた対応を求めています。単純な増配や自社株買いだけでなく、資本効率や持続的な成長、企業価値向上を重視する内容です。
だからこそ、「割安で、利益を生み、株主還元も増やしている企業」という組み合わせに投資上の優位性があるかを調べる価値があります。
今回検証する4つの戦略
A:割安株
PERやPBRなどを使って、相対的に割安な銘柄を選びます。
B:増配株
配当を増やしている企業を選びます。
C:割安+増配
割安であり、さらに増配している企業を選びます。今回の中心戦略です。
D:割安+増配+株価トレンド
さらに実験室で検証している株価・出来高などの条件を組み合わせます。考え方は、ファンダメンタルで「買いたい会社」を探し、テクニカルで「買うタイミング」を探すというものです。
何を比較するのか
- 累積リターン
- 最大ドローダウン
- 値動きの大きさ
- 勝率
- 売買回数
- TOPIXなどのベンチマークとの差
売買タイミングを加える実験では、1回あたり平均損益、Profit Factor、Max Drawdownなど、これまで実験室で使ってきた指標でも評価します。
一番重要なのは「後から条件を変えない」こと
バックテストでは、結果を見てから条件を変えると、過去だけ強い戦略が簡単に作れてしまいます。
そこで今回は、検証条件を先に固定してから結果を見るルールで進めます。
株式分割、上場廃止、手数料、データ取得時点、将来情報の混入(ルックアヘッド)がないかも確認します。良い数字を作ることより、再現できる検証にすることを優先します。
データはJ-Quantsを中心に使う
検証には、日本取引所グループが提供するJ-Quantsの株価・財務データを中心に使います。利用プランによって取得可能なデータや期間は異なるため、まず取得できる範囲でPoC(試験検証)を行い、その後に期間や対象銘柄を広げます。
取得できないデータを推測で補完することはしません。
Xの成功例をそのまま真似しない理由
今回のきっかけはSNSですが、誰かがその方法で成功したことと、その方法自体に再現性があることは別問題です。
投資元本、途中の追加投資、売買履歴、配当再投資、取ったリスクなどが分からなければ、本当の運用成績は計算できません。
実験室ではSNSを「証拠」ではなく、検証するアイデアを見つける場所として使います。
今回の仮説
仮説1:単純な割安株より、利益成長や株主還元を伴う割安・増配企業を選んだ方が、リスクを抑えながら高いリターンを得られるのではないか。
仮説2:企業選びをファンダメンタルで行い、エントリーを株価トレンドで判断すると成績が改善するのではないか。
両方とも間違っている可能性があります。そこも含めて実験です。
次回
次は実際に条件をコード化し、割安だけ/増配だけ/割安+増配/割安+増配+株価トレンドを同じ条件で比較します。
「割安+増配」が強ければ、その理由をさらに分解します。差がなければ、「それっぽい投資理論でも、実際に測ると優位性を確認できなかった」という結果をそのまま公開します。
この実験室では、必勝法を探すのではなく、記録 → 検証 → 改善を繰り返します。
※本記事は投資手法の検証記録であり、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身で行ってください。