システムトレードとは?裁量トレードとの違いを、実際のAI株検証で初心者向けに解説

「システムトレードって、AIが勝手に株を選んで売買すること?」

私も最初は、そんなイメージを持っていました。

実際にAI株システムを作ってみると、いちばん大きな違いはAIの有無ではありませんでした。

人がその場で考えて判断するのか。

それとも、先に決めたルールを同じ方法で繰り返すのか。

この記事では、この違いを実際の3社の株を使った検証結果も交えて説明します。

30秒で結論

裁量トレードとは、チャートやニュースなどを見ながら、人がその場で売買を判断する方法です。

システムトレードとは、「この条件なら買い候補」「この条件なら見送る」といったルールを先に決め、そのルールに沿って判断する方法です。

どちらが必ず優れているわけではありません。

私が今システムトレード型で検証している理由は、「機械なら勝てるから」ではなく、同じ条件で測り続ければ、うまくいかなかった結果も後から比べられるからです。

裁量トレードは「その場で人が決める」

裁量トレードでは、そのときの相場を見て人が判断します。

たとえば、

「かなり下がったから、そろそろ戻りそう」

「今日はニュースも良いから買ってみよう」

「このチャートなら上へ抜けそう」

と考えて売買する方法です。

状況に合わせて柔軟に判断できるのは強みです。

一方で、同じ場面でも人によって判断が変わったり、自分でも日によって判断が変わったりします。そのため、「このやり方は本当に良かったのか」を後から同じ条件で確かめにくい面があります。

システムトレードは「判断の基準を先に決める」

システムトレードでは、結果を見る前に判断ルールを決めます。

この実験室では、株価の動きや取引量などについて4つの条件を決め、すべてそろった場面だけを「買い候補の合図」として記録しています。

ここで重要なのは、ルールがあること自体ではありません。

負けた日にだけ条件を緩めたり、勝てそうな場面だけ例外にしたりせず、同じ条件で測ることです。

これができると、「昨日はこう思った」「今日は何となく違う」という感覚ではなく、同じ物差しで結果を比べられます。

実際に測ると、システムでも普通に負けた

ここで誤解してはいけないのは、システムトレードにすれば勝てるわけではないことです。

実際、この実験室の初日検証では、トヨタ自動車、ソニーグループ、ソフトバンクグループという3社の株を確認しました。

5分足と呼ばれる「5分ごとの株価記録」を1社につき64本ずつ使い、合計192本を同じルールで確認しました。

その結果、買い候補の合図は3回だけでした。

  • 3回中1勝2敗
  • 3回の結果を平均すると、1回あたりの利益・損失は約-0.4652%

つまり、初日は負け越しです。

ただし、3回しか売買例がない初日だけで、「この方法はダメ」「この方法なら勝てる」と結論を出すことはできません。

この数字から分かるのは、システムトレードが勝つ魔法ではないことと、同じルールで結果を記録するスタート地点に立てたことです。

詳しい初日の検証記録:

「初日の詳しい検証記録(3社の株・1勝2敗)」

「0回」も立派な結果になる

初日のトヨタ自動車では、買い候補の合図は0回でした。

これはプログラムが止まったという意味ではありません。必要なデータを確認したうえで、決めた条件が全部そろわなかったため「今回は買わない」と判定した結果です。

システムトレードでは、「買った結果」だけでなく「条件に合わなかったので何もしなかった」という結果も残せます。

この違いは、後から検証するときに重要です。

詳しい0件の考え方は別記事として準備中ですが、この記事では「何もしない判断も同じルールで記録できる」と覚えておけば十分です。

最大のメリットは「なぜ負けたか」を調べやすいこと

システムトレードの一番のメリットを、私は「感情がなくなること」だとは考えていません。

人間がルールを作る以上、どんな条件を採用するかには人の判断が入ります。

それでも、ルールを先に決めておけば、

  • どの条件で買い候補になったのか
  • 何回合図が出たのか
  • 勝ちと負けがどう分かれたのか
  • データが足りなかったのか、それとも正常に0回だったのか

を後から確認できます。

「なんとなく負けた」で終わらず、何を同じ条件で測り直せばよいかが分かる。

実際に作ってみて、ここがシステムトレードの大きな価値だと感じました。

ではAIは何をしている?

現在のAI株システムでは、AIがその場で未来の株価を予想して売買を決めているわけではありません。

売買の判定は、人が採用した固定ルールをプログラムが確認します。

AIは主に、

  • 人が決めたルールをプログラムにする
  • テストを作る
  • 間違いや矛盾を探す
  • 結果を整理する

といった開発や検証を手伝っています。

そのため、「AIを使っている=AIが勝てる株を予言している」ではありません。

AIの役割については、こちらの記事で詳しく説明しています。

「AIは株価を予想しているの?過去のチャート予測で失敗した私が今やっていること」

裁量トレードとシステムトレード、初心者はどう考えればいい?

初心者の段階で、どちらか一方が絶対に正しいと決める必要はありません。

違いを簡単に整理すると、

裁量トレード:

人がその場の状況を見て判断しやすい。柔軟だが、同じ判断を再現しにくいことがある。

システムトレード:

判断ルールを先に決める。同じ条件で繰り返し測りやすいが、ルール自体が悪ければ普通に負ける。

という違いです。

私が現在システムトレード型で実験しているのは、途中で自分の感覚を混ぜず、失敗も含めて同じものを測りたいからです。

なお、この実験室では20営業日の固定検証を進めていますが、20営業日測れば戦略の有効性が証明されるという意味ではありません。条件を途中で変えずに測るための最初の検証であり、その後も別の期間や別の方法で確認が必要です。

まとめ|まず「自分なら何を条件にするか」を1つ書いてみる

システムトレードは、AIに株を任せれば勝てるという仕組みではありません。

本質は、「判断の基準を先に決めて、同じ条件で結果を確かめられるようにすること」です。

初日の実測は1勝2敗でした。それでも、同じルールで測ったからこそ「負けた」という結果も比較材料として残せました。

システムトレードの考え方を体験するなら、いきなりプログラムを作る必要はありません。

まずメモに、

「何が起きたら買い候補にするか」

「どんな場合は何もしないか」

を1つずつ書いてみるだけでも、感覚だけの判断とルールを決めた判断の違いが見えてきます。

※この記事は、AIを活用した株システム開発・検証の個人的な実験記録です。特定の株の売買推奨、投資助言、利益保証を目的としたものではありません。過去の検証結果は将来の投資成果を保証しません。

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