2026年にシストレの単純戦略が効きにくくなった?短期アルファ劣化から考える
2026年に入ってから、これまで長くプラスだった単純なシステムトレード戦略が効きにくくなった、という議論がクオンツ界隈で出ています。
たとえば、5日移動平均からの乖離を使う逆張りや、寄り付きと引けの値動き、曜日など、過去数日の値動きだけで作れる短期戦略です。
この実験室でも、チャート・VWAP相当値・高値ブレイク・出来高などを使ったルールを検証しています。だからこの話は他人事ではありません。
結論|バックテストで勝っただけでは足りない
今後は「利益が出たか」だけでなく、その利益が既知のモメンタムや短期リバーサルで説明できないかまで確認する必要があります。
つまり、見つけた戦略が本当に独自のエッジなのか、それとも既知ファクターに乗っているだけなのかを分けて考えます。
なぜ単純な短期戦略は劣化しやすいのか
理由として考えられるのは、同じデータから同じ検証へ到達する参加者が増えたことです。
AIエージェントを使えば、条件を少しずつ変えながら大量の戦略を短時間で検証できます。単一指標の閾値や、日足だけで作れる戦略ほど、他の参加者と似た形になりやすくなります。
ただし、AIの普及が2026年の劣化を直接引き起こしたと証明されたわけではありません。市場のレジーム変化や参加者構成の変化など、別の原因も考えられます。
実験室では何を変える?
凍結済みの実験条件を、結果を見て後から変えることはしません。
その代わり、次の新しい研究では以下を確認します。
- 市場全体の上げ下げ(β)で説明できないか
- モメンタムで説明できないか
- 短期リバーサルで説明できないか
- それらを差し引いたあとに残差リターンが残るか
- 直近期間でも劣化していないか
- OOSやwalk-forwardでも再現するか
- 回転率や売買コストを入れても残るか
バックテストを良くしすぎる危険については、こちらも参考になります。
OOSとは?売買ルールを作るのに使っていないデータで試す理由
個人投資家に残りやすい研究領域
今後の候補としては、中小型株の決算・ファンダメンタル、短期の需給データ、複数条件の組み合わせや非線形モデルなどがあります。
重要なのは、流行している条件をすぐ採用することではありません。なぜ利益が出たのかを説明し、既知ファクターを除いても残るかを確認することです。
この実験室で公開していくこと
良い結果だけでなく、戦略が劣化したときも記録します。今後は「勝率」だけでなく、残差、直近劣化、OOS、コスト、最大ドローダウンまで含めて検証していきます。
AIを使った研究・自動化の裏側はnoteでも公開しています。
参考:AlpacaTech 北山氏「2026年に多くのシストレの戦略のアルファが消えた件について」 https://zenn.dev/gamella/articles/6bd6e5ab9e88bc
※本記事は投資助言ではなく、システムトレード研究の考え方を整理したものです。過去の検証結果は将来の利益を保証しません。