AI株システムは何を見て「買い候補」を出す?現在の検証戦略を初心者向けに分解
このブログでは「AI株システム」という言葉を使っています。
でも、
「結局、何を見て買うと判断しているの?」
というところは、まだ詳しく書いていませんでした。
AIがニュースを読んで、
「今日はトヨタが上がりそう」
と予想しているわけではありません。
2026年8月27日時点で検証している仕組みは、もっと単純です。
株価の5分足を見て、あらかじめ決めた4つの条件が全部そろった場面を探す。
これが基本です。
今回は、現在実際に検証している戦略を、投資やプログラミングに詳しくない人向けに分解してみます。
※現在も検証中の戦略です。利益が出ることが確認された完成済みの売買手法ではありません。
まず結論:4つの条件が全部そろったらシグナル
現在のシステムが見ているのは、主に次の4つです。
1つだけでは買い候補にしません。
4つが全部そろって初めて、
「この場面を検証対象にしよう」
というシグナルを出します。
順番に説明します。
条件① 安値が切り上がっている
最初に見ているのが、直近の値動きです。
5分ごとの株価には、
- 始値
- 高値
- 安値
- 終値
があります。
現在のシステムでは、直前3本の確定した5分足について、安値が順番に高くなっているかを確認します。
イメージすると、
100円
↓
101円
↓
102円
のような状態です。
毎回下がる場所が少しずつ高くなっている。
これを、
「安値が切り上がっている」
と見ています。
もちろん、これだけで株価が上がるとは限りません。
そこで次の条件も確認します。
条件② 直近の高値を上抜いたか
次に、
現在の5分足の高値が、直前3本の高値より上へ出たか
を見ます。
例えば直前3本の高値が、
1,000円
1,005円
1,003円
だったとします。
この場合、直近3本で最も高いのは1,005円です。
現在の足が1,006円まで上がれば、
直近高値を上抜いた
と判定します。
つまり、
安値は少しずつ上がってきた。
そして今度は上側にも抜けた。
そんな場面を探しています。
条件③ 終値がVWAP相当値より上か
3つ目が、このシステムで計算するVWAP相当値です。
一般的なVWAPをざっくり言えば、
「その日に、出来高も考慮して平均すると、だいたいどの価格帯で取引されているか」
を見るための数字です。
現在のシステムでは、
現在の5分足の終値が、このシステムで5分足から計算した当日累積VWAP相当値より上にあること
を条件にしています。
例えば、
VWAP相当値:1,000円
現在の終値:1,010円
なら条件を満たします。
逆に、
VWAP相当値:1,000円
現在の終値:990円
なら、この条件ではシグナルを出しません。
単純に高値を更新しただけではなく、
その日の平均的な取引価格より上側にいるか
も確認しているわけです。
条件④ 出来高が増えているか
最後が出来高です。
価格だけが少し上がっていても、取引がほとんど行われていなければ、その動きをそのまま信用していいのか分かりません。
そこで現在のシステムでは、
現在の出来高 ÷ 直前5本の平均出来高
を計算します。
この数字が、
1.5以上
になったことを条件にしています。
例えば直前5本の平均出来高が10万株なら、
現在の出来高が15万株以上。
これで条件を満たします。
つまり、
「価格が上がった」
だけではなく、
「普段より取引が増えた状態で上がった」
という場面を探しています。
4つを並べると、こんな場面を探している
ここまでをまとめると、
現在のシステムは、
安値が少しずつ上がってきた
↓
直近高値を上抜いた
↓
終値もVWAP相当値より上
↓
出来高も増えている
という場面を探しています。
人間の感覚で言えば、
「上向きの動きが強くなってきたように見える場面」
を数字に置き換えたものです。
ただし重要なのは、
こういう形になれば上がる、と証明されたわけではない
ことです。
そこを確かめるために、今このシステムを作っています。
シグナルが出ても、その価格では買わない
ここは開発途中でかなり重要になった部分です。
例えば14:00〜14:05の5分足を見て、
14:05に条件成立が確認できたとします。
その5分足の終値を見てから、
「14:05の終値で買えたことにする」
のは都合が良すぎます。
5分足が完成して初めて、条件を満たしたことが分かるからです。
そこで現在の実装では、
シグナルが確定した次の5分足の始値
を仮想的なエントリー価格として使います。
未来の情報を使って過去に買ったことにしないためです。
このあたりは、実際にコードを作ってみるまで私はほとんど考えていませんでした。
買ったあとは最大60分だけ追う
仮想エントリーしたあとは、いつまでも持ち続けるわけではありません。
現在の基準設定では、
- 利益確定:+1.0%
- 損切り:-0.5%
- 最大保有:5分足12本
です。
5分×12本なので、最大約60分です。
例えば1,000円で仮想エントリーした場合、
1,010円付近まで上がれば利益確定条件。
995円付近まで下がれば損切り条件。
どちらにも到達しなければ、最大保有時間まで追跡して結果を記録します。
なお、同じ5分足の中で利益確定価格と損切り価格の両方に触れていた場合、5分足データだけでは、
「どちらに先に到達したのか」
が分かりません。
その場合は勝手に順番を決めず、
判定不能なケースとして分けて記録する
ようにしています。
取引できる時間も制限している
現在の検証では、朝一番からすぐシグナルを出すわけではありません。
シグナル判定開始は9:30以降です。
さらに現在動かしている日次検証では、
- 前場:10:25まで
- 後場:14:20まで
にシグナル時間を制限しています。
これは、
「この時間帯が一番儲かると分かったから」
ではありません。
シグナルが出たあとに最大12本、つまり60分分の値動きを、同じ取引時間帯の中で最後まで確認できるようにするためです。
利益を見て都合のいい時間帯を選んだのではなく、
検証に必要な未来の12本を確保するための時間制限
です。
今はトヨタだけではなく3銘柄で見ている
最初のMVPでは、トヨタ自動車(7203.T)だけを対象にしていました。
現在の日次検証では、
- トヨタ自動車(7203.T)
- ソニーグループ(6758.T)
- ソフトバンクグループ(9984.T)
の3銘柄まで広げています。
ただし、
「この3銘柄で同時に資金を運用したらいくら儲かるか」
を計算しているわけではありません。
今見ているのは、
3銘柄に対象を広げたとき、そもそもシグナルがどれくらい発生し、その後どうなるのか
という検証です。
まだ実際のお金は1円も動かしていません。
手数料や「思った価格で買えない」ことも入れている
バックテストは、条件を甘くすると簡単に良い結果が出てしまいます。
そこで現在の日次検証では、
手数料相当:片道0.1%
スリッページ:片道0.05%
という条件も入れています。
スリッページというのは、
「この価格で買いたかったけど、実際には少し高い価格で買うことになった」
といったズレです。
数字は現在の実験用に固定している仮定で、特定の証券会社の実際の手数料を表したものではありません。
実は最初に作った戦略とは少し違う
ここも、このブログでは隠さず残しておきたいところです。
Ver.3を最初に設計した頃には、
- EMA
- VWAPから何%離れたか
- 過去の同時刻出来高
などを使う別の条件も設計していました。
でも、開発を進める途中でMVPを切り出し、
現在実際に検証している条件は、
安値切り上げ+直近高値更新+VWAP相当値+直前出来高
という形になっています。
だからこのブログでも、
「最初の設計書にはこう書いてあったから」
ではなく、
今実際に動いているコードが何を判定しているか
を基準に説明することにします。
AIに開発を任せていると、この「設計書と実装がずれていないか」を確認する作業も必要になることが分かりました。
そして今は「リアルタイム売買」ではない
もう一つ重要なことがあります。
現在は、この戦略をリアルタイムで動かしているわけではありません。
一度リアルタイムのPaper Tradeを試しましたが、使用していた株価データの遅延が判明したため、その運用はいったん停止しました。
現在は市場が終わったあとに、その日の5分足を使って、
「もしこの条件で検証していたらどうなったか」
を再生するDaily Replayという方法で確認しています。
実際のお金を使う取引でもありません。
リアルタイムで注文を出すシステムでもありません。
今やっているのは、
戦略そのものに検証する価値があるのかを調べる段階
です。
この戦略で本当に勝てるの?
ここが一番知りたいところです。
私も知りたいです。
でも今は、
まだ分かりません。
システムが条件を正しく判定できた。
テストが全部通った。
AIの監査でも問題が見つからなかった。
それと、
この戦略で将来利益が出る
ことは別です。
むしろこの実験で何度も分かってきたのは、
「動く」と「勝てる」の間に、かなり大きな距離がある
ということでした。
だから今後も、
シグナルが出た日だけではなく、
何も出なかった日もそのまま記録します。
条件が弱かったなら弱かったと書きます。
期待した結果にならなければ、それも残します。
まとめ:AIが予想しているのではなく、条件を検証している
現在のAI株システムを一言でまとめるなら、
AIが上がる株を予想するシステムではありません。
AIに開発を手伝わせながら、
人間が決めた条件をプログラムで再現し、
実際の株価データに当てはめて、
その条件に本当に意味があるのかを検証するシステム
です。
現在のシグナル条件は、
- 直近3本で安値切り上げ
- 直近3本の高値を上抜く
- 終値がVWAP相当値より上
- 出来高が直前5本平均の1.5倍以上
です。
条件成立後は次の5分足始値で仮想エントリーし、最大12本、約60分追跡します。
これが今の実験の中身です。
この条件が強いのか。
弱いのか。
たまたまなのか。
銘柄を変えても同じなのか。
これから実測結果を残していきます。
「AI株システムって、そもそも何を作ってるの?」
というところから読みたい場合はこちらの記事にまとめています。
→ AIに株を売買させるの?初心者の私が作っている「AI株システム」をやさしく説明
※この記事は2026年8月27日時点の実装をもとに書いています。今後の検証結果によって戦略を変更する可能性があります。変更した場合は、過去記事を書き換えて最初からそうだったことにはせず、変更理由も実験記録として残します。
※本記事はAIを使ったシステム開発・投資戦略検証の個人的な実験記録です。特定銘柄の推奨、投資助言、利益の保証を目的としたものではありません。